Thursday, February 13, 2014

Team Introduction チーム紹介

◆パイロット

室屋 義秀(むろや よしひで)
1973127日 福島県福島市在住 奈良県生まれ

Predrag Vuckovic/Red Bull Content Pool

アジア人として初めて、そして唯一レッドブル・エアレースに参戦している“Yoshi(ヨシ)”こと室屋義秀の名は徐々に広まりを見せている。2014年、彼は自身3度目のレースシーズンに向けて、地元福島からまさに今飛び出そうとしている。

室屋のレース参戦が始まった2009年。彼はピート・マクラウド、マット・ホール、マティアス・ドルダラーら4人のルーキーのうちの一人であった。しかし、スティーブ・ジョーンズのコーチを受けるや否や、彼は急速に、かつ順調にレースパイロットとして変貌を遂げていった。

デビューの年は控えめな結果が大勢を占めたにもかかわらず、室屋は最終戦のスペインにおいて6位と言う素晴らしい結果をいきなり手中に収めた。これは優勝者であり2度のワールドチャンピオンに輝いたポール・ボノムまでわずか2秒未満と言う記録である。


Cameron Spencer / Getty Images for Red Bull Air Race 

毎レース前に、室屋は仏教の瞑想術である座禅を取り入れた練習を行い、肉体と精神を落ち着かせている。これにより彼は自身の操る飛行機のポテンシャルを最大限に活用する集中力を発揮する事が出来るのである。

「レッドブル・エアレースはスピードを競うモータースポーツで、純粋なエアロバティックスとはだいぶ違う。だからパイロットも観客もわくわくする。レースは常に接戦。パイロットとしてレースを飛ぶのはとても楽しいし、特別な体験です。同じ経験ができるパイロットはそう多くはない」

室屋はポール・ボノムの無駄のない優雅な飛行スタイルに憧れているとも語り、精神面と併せ、レース中の高いGにより上手く対応できるよう肉体を鍛え続ける努力を惜しまない。

レースを行っていない間も、室屋はエアショーやトレーニングを通じて自身の操縦技術を磨いている。これまで18年の曲技飛行歴と200を超える無事故のパフォーマンスの中で、常に高いレベルのコントロールと曲技操縦技術を誇っている。

Predrag Vuckovic/Red Bull Content Pool



◆チームコーディネーター

ロバート・エリック・フライ
1952214日 オークランド ニュージーランド生まれ

Photo by Taro Imahara/TIPP 

ロバート・フライはニュージーランドの首都オークランドで生まれ育つ。

幼少の頃からヨットセーリングを開始し国内選手権では18歳にして優勝を成し遂げる。高校卒業後は2年間工業技術を専門に学び21歳で日本に留学した。

1973年より東京で食料関連の輸出入やヨット、その装備品の販売の職を得て働きはじめる。
特に自動車のセンサー部やヨットのフィッティングに使用される特殊合金の輸出入に精通し、その経験がエアレースにおいても生かされている。 上記勤務と同時にアドミラルカップなどのヨット外洋レース世界選手権にも数多く出場し、操舵手や船長としてその名を轟かせた。日本国内ではマッチレースで4度の総合優勝をかざっている。

19921995年の間は、ヨットレース最高峰のアメリカズカップではニッポンチャレンジチームを主導し、操舵手/ナビゲーターとしてレースに参加。引退後は“ショア・ボス”といわれる総監督として名手クリス・ディクソンを船長にむかえる手配などしてチームを強化し、また船体の整備や各種手配まで広範においてチームを支え6カ月間をサンディエゴで過ごした。

サンディエゴ滞在中の1992年に、飛行機の操縦免許を取得。自ら自作した機体で免許を取得し同時にエアロバティックスの訓練も開始。 2001年には日本で室屋とともにエアショー活動を開始し、2003年にはスホーイ29型機を導入しその活動を本格化した。

現在はニュージーランド在住。ニュージーランド国内でのエアショーをはじめ、フォーメーションチーム“エアバンデッツ”のチームリーダーとしてスホーイやヤク機を駆って世界中で活動を続けている。流暢な日本語を話し、日本人のワビサビを深く理解する。


◆テクニシャン

西村 隆(にしむら たかし)
196711日 米国・レッドランド在住 鹿児島県生まれ

Photo by Taro Imahara/TIPP 

カーレースの最高峰「Formula1」に熱中しレースカー整備士への憧れをいただいて幼少期を過ごす。

整備士について色々と調べていく中で高度技術の結晶である飛行機の整備士を目指し資格取得に向けて猛勉強を開始。自ら試験飛行などを行える本格的な整備士を目指すため、まずはパイロット操縦資格の取得を目的に1988年に初渡米。その期間にアメリカの航空機事情を視察し航空整備士への決意を固める。

帰国後は日本で整備学校へ進学予定だったが、航空先進国アメリカで整備を学ぶことを決意し、カリフォルニア州コロナ空港内で勤務の傍ら整備士資格を取得。

1994年から1997年は、カリフォルニア州レッドランド空港のフライトスクールにメカニックとして勤務するなど、資格取得後は整備士として幅広い経験を積み重ねていった。

その後、別事業をこころざし1年間日本に帰国したが、空への情熱はますます強くなり再度渡米。1999年より、カリフォルニア州のレッドランド空港にメンテナンスショップをかまえて、プライベートオーナー機・フライトスクール機などを中心に整備事業会社を運営している。



  Posted by Team MUROYA Racing/Red Bull Air Race

Tuesday, February 11, 2014

レッドブル・エアレース レギュレーション、2014シーズンの変更点

◆エンジンとプロペラ

今シーズンから、全チームに同じ規格のエンジンとプロペラが提供されることになりました。(改造禁止)

Standardised race-tuned Lycoming Thunderbolt AEIO-540-EXPLycoming社製)

Balazs Gardi/©Red Bull Content Pool


Standardized racing propellerHartzell社製)

Balazs Gardi/©Red Bull Content Pool


公平を期すため、どのエンジンがどのチームに提供されるか公開抽選が行われました。

*抽選のようすはこちら(動画)

Balazs Gardi/©Red Bull Content Pool

◆パイロンの規格

大きな変更点の一つとして、パイロンの高さが20mから25mへ引き上げられました。

形状にも改良が加えられ、これまでの円錐形から、非対称の傾きをもった設計に変更されています。

新しいパイロンは、強度の異なる9つのセグメントによって構成され、機体が接触すると瞬時に破砕し、機体に絡まないよう細断される特殊な繊維で作られています。

また、エアーで膨らんでいるパイロンは、風などの外的要因に影響されることなく自立していなければならず、その強度と安定性、2つの基本的な目的を果たすために絶妙なバランスが図られています。

パイロンについて(英語)


◆パイロンの種類・レーストラック

下記の4種類のエアゲート/パイロンでレーストラックが構成されます。

1.スタート/フィニッシュゲート(白黒チェッカー)

Photo by Taro Imahara/TIPP

2.シケインゲート(赤)
2本以上のパイロンで構成されるスラロームコース
シケインを構成する各パイロンの間隔は最低100m 


Photo by Taro Imahara/TIPP

3.レベルゲート(青)
2本のパイロンで構成され、水平に通過
レベルゲートを構成する2本のパイロンの間隔は13m
(エッジのウィングスパンは7.5m

Photo by Taro Imahara/TIPP

4.シングルパイロン(赤)

Photo by Taro Imahara/TIPP


今シーズンから、機体を90°傾けて2本のパイロンの間を通過するナイフエッジゲートが廃止。また、4本のパイロンの間を通過するHigh-G 270°クアドロターンも、パイロットのGロックを防止するために廃止されました。

◆ルール

パイロットは、各エアゲートの上部40%の範囲内を飛行しなければなりません。
スタートゲートへの進入速度は200ノット(時速370km)以下、
レース中の最大G10G超えてはなりません。


◇ DisqualificationDQ・失格)
s   コントロールされていない飛行
s   失速
s   セーフティーラインを超える飛行
s   パイロン周辺でのネガティブGターン
s   ゲート間の高さ10m以下の飛行
s   雲の中に入ってしまった場合
など、危険とみなされる飛行があった場合は失格となります。


◇ Did Not FinishDNF
s   パイロンヒット
s   レーストラックからの逸脱
s   スタートスピードリミット(200ノット・時速370km)の超過
s   最大G10Gを超えていた場合
s   Total minimum race massが規定重量よりも軽かった場合*

*フライト後、重量計測が行われ、規定重量よりも軽かった場合はDNFとなります。
 そのため、各チームはTotal massが規定に満たない場合は、安全な場所にバラスト(シートの底などに成型した鉛のプレート)を積み込むなどして重量調整を行います。

*Total minimum race massに含まれるもの
  ・機体
  ・燃料
  ・スモークオイル
  ・パイロット
  ・Gレーススーツ、ハーネス、パラシュート、ヘルメット
  ・スペアエア
  ・その他、搭載機器


◇ Safety Climb OutSCO
パイロットが、安全上の理由により、自身の判断(もしくはレースディレクターからの指示)でレースの継続を断念する場合、SCO宣言してレーストラックから離脱することが認められています。(但し、DQ扱い)


◇ペナルティ
s   不正確な飛行
  ・ Flying Too High(高すぎるパイロン通過)2秒のペナルティ
  ・Incorrect Level Flying 2秒のペナルティ
s   スモーク違反
  ・“Smoke On”のコールからスタート/フィニッシュゲートまでの間にスモークを出さなかった/出なかった場合、1秒のペナルティ


◆パイロット及び新レースフォーマット

パイロット 15名から12名に変更。

 ◇ Qualifying Day(予選)
s   本戦のスターティングポジションを決める予選フライト
s   2ラップの内、速かったほうのタイムが適用されます。



◇ Race Day(本戦)
s   予選のタイムにより2名ずつ、6つのヒートに分かれ、11で対戦。
s   各ヒートの勝者6名と、敗者の中で最速だった2名がスーパー8に進出。
s   スーパー8では、タイム順に上位4名がファイナル4へと進出。
s   ファイナル4ラウンドでは、パイロットたちは最速タイムを競い合う。
 最も速かった3名が表彰台に上がり、このラウンドでの最速パイロットがレースの覇者となります。



*レースフォーマット(拡大)はこちら


◇各順位の獲得ポイント

スーパー8進出でポイント獲得。
各レースの獲得ポイントの合計点で、そのシーズンの総合チャンピオンが決定します。

◆チャレンジャー・カップの新設

次世代のパイロットたちが、簡易化されたレースコースで実際のフライト経験をする「チャレンジャー・カップ」が新たに導入されます。

このレースは、レッドブル・エアレース本戦の前日に開催され、参加資格を与えられた若きパイロットたち(男女を問わず)は、レッドブル・エアレースのコースで貴重な実戦経験を積むことができます。

また、シーズン中のトレーニング・キャンプにも参加し、未来のキャリアにつながる機会がこのレースによって与えられます。


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レッドブル・エアレース・チーム室屋の最新情報は




Posted by Team MUROYA Racing/Red Bull Air Race